園長先生の「つぶやきコーナー」
つぶやきコーナーについて
「園長先生!ホームページに載せる一言を!!」と求められたことで応じることとなった。
目的やテーマ、締め切りなどは求めない。思いついた時、気ままに書いて欲しいと言うものであった。
それなら、と始めることにしました。よろしくお願いします。
つぶやき
2024-02-26
「僕は、全体としての人間だ。僕が全体として自己形成をするのを助け、僕のほんとうの潜在能力を発揮させて欲しい」
ここ数年、よく想い起すようになった学生の言葉です。
子育てにも専門化→細分化→分業化が広がっていますが、ちょっと待って! と言いたくなっています。責任もコストも管理しやすいからという人もいました。しかし「専門主義」へと傾斜しているようにも思います。
これは憂うべき事柄ではないでしょうか。危惧しています。
上の言葉は、当時日本でも社会現象となって大いに「人間の全人性」について、多くの人が語っていました。今はすっかり忘れてしまったのかなア。
*(『アメリカンマインドの終焉』みすず書房p176)
新年を迎えています。
2024-01-14
被災された方々の平安を心よりお祈り申し上げます。 2024年
心身をすこやかにする その1
2023-12-04
子ども達と生活を共にしていると元気をもらえます。
児童養護施設での暮しは、生体のリズムを立てながら社会的生活のリズム
に合わせていくことになります。
24時間の連続して起きている現代は生体のリズムが崩れやすい生活で覆
われています。SNS など溢れる情報の影響を受けるだけではありません。情
報=コトバ、記号の世界とも言えるでしょうか。高知識が求められ、AI で
処理される生活が、どんどん進む社会で、問題があるとしても人と人との生
の交流、実感のある関係が豊かにあるところが児童養護の世界です。
こんな時に思い描くのは、宮沢賢治の『稲作挿話』です。
……
これからの本当の勉強はねえ
テニスをしながら商売の先生から
義理で教はることでないんだ
きみのやうにさ
吹雪やわづかの仕事のひまで
泣きながら
からだに刻んで行く勉強が
まもなくぐんぐん強い芽を噴いて
どこまでのびるかわからない
それがこれからのあたらしい学問のはじまりなんだ
ぢゃさようなら
……雲からも風からも
透明なエネルギーが
そのこどもにそゝぎくだれ……
気になる
2023-10-13
昨年だったか、社会学者のインタビューをまとめて書にした『母親になって後悔してる』や
反出生主義の記事を読む。それで、シオランの書『生誕の災厄』を思い起こしながら、思った。
昨今が、直ちに息苦しい社会だというたわけではないだろうが、生み出すことと、生き続け
ることの違いや、出生後の人生には困難が付きまとうことについて思い巡らすことになった。
私はどのように「隣り人」で在るのだろうか。
「コロナ禍」のあとで
2023-08-08
コロナの感染がようやく下火にと思いましたが、まだまだ
続くようです。油断できません。
「アフターコロナの社会」で「ひと」の営みや社会関係に
憂える変化が起こっていたという。NHK テレビでオランダ
やイギリス、アメリカ日本の研究者らのそれぞれの「研究」
が紹介されていました。研究の一つに一人で長く過ごさざる
を得なかった方の中には、ひとと「会うことに不安・怖い」
を示した方が20% 〜30% 増加していることや、あるいは、
生きる力の中枢の中脳の反応が弱い方がいたり、あるいは、
人交わる喜びより、お金の方に価値を見出したりする方がい
たという。
こうした孤立の問題、孤立から生じる問題の露出は、コロ
ナ禍はるか前からあって、コロナ禍を通して目に見えるよう
になってきたという事でないでしょうか。